non-HDLコレステロールとは?血液検査で値が高い原因と下げる方法

2026.09.10

健康診断の結果表に記載されている「non-HDLコレステロール」という項目を見て、この値が何を指すのか、高い場合にどのようなリスクがあるのか、不安に感じていませんか。

この数値は、動脈硬化につながる悪玉コレステロール全体の量を示す重要な指標です。

この記事では、non-HDLコレステロールの基本的な意味から基準値、数値が高くなる原因、そして具体的な改善方法までを分かりやすく解説します。

non-HDLコレステロールとは?健康診断で重要視される理由

non-HDLコレステロールとは、血液中の総コレステロールの値から、善玉であるHDLコレステロールの値を引き算したものです。

この数値は、動脈硬化を引き起こす可能性のある悪玉(LDLコレステロール)をはじめとする、すべての種類のコレステロールの総量を意味します。

従来のLDLコレステロール検査だけでは見つけにくいリスクも把握できるため、近年の健康診断や血液検査では脂質異常症の診断指標として重要視されています。

動脈硬化の真のリスクを示す「悪玉コレステロールの総和」

non-HDLコレステロールは、LDL(悪玉)コレステロールだけでなく、中性脂肪が高い場合に増加する超悪玉コレステロール(レムナント)なども含んだ数値です。

これらはすべて動脈硬化を促進する原因物質であるため、non-HDLコレステロールは「悪玉コレステロールの総和」と表現できます。

総コレステロールからHDLコレステロールを引くという簡単な計算で求められ、動脈硬化の総合的なリスクをより正確に反映する指標として利用されています。

LDL(悪玉)コレステロール値だけでは分からない隠れたリスクを把握できる

従来の脂質異常症の診断ではLDLコレステロール値が重視されてきましたが、この数値は中性脂肪が高い場合や食後に採血した場合、実際よりも低く計算されてしまうという弱点がありました。

non-HDLコレステロールとLDLコレステロールの大きな違いは、non-HDLコレステロールが食事の影響を受けにくく、LDLコレステロールだけでは見逃されがちな隠れたリスクまで評価できる点です。

これにより、より精度の高い動脈硬化のリスク管理が可能になります。

あなたの数値は大丈夫?non-HDLコレステロールの基準値をチェック

non-HDLコレステロールの数値は、動脈硬化性疾患のリスクを判断する上で重要な基準となります。

健康診断などで測定された自分の値がどの範囲にあるのかを確認し、適切な対応をとることが大切です。

日本動脈硬化学会が示すガイドラインでは、他の病気のリスクなどを考慮して管理目標値が設定されますが、一般的な基準値としては「正常値」「境界域」「異常値」の3つの段階で評価されます。

【正常値】健康的な範囲とされる基準値

non-HDLコレステロールの管理目標値は、個人のリスクに応じて異なります。

例えば、一次予防の低リスク群では190mg/dL未満、中リスク群では170mg/dL未満、高リスク群では150mg/dL未満が目標とされることがあります。高non-HDLコレステロール血症の診断基準は170mg/dL以上、境界域は150~169mg/dLとされています。

これらの数値はあくまで目安であり、高血圧や糖尿病、喫煙習慣など他の危険因子がある場合は、より厳しい管理目標値が設定されることもあります。

基準値内であっても、健康的な生活習慣を維持することが将来の病気予防につながります。

【境界域】生活習慣の見直しが推奨される数値

non-HDLコレステロール値が150mg/dLから169mg/dLの範囲は「境界域高non-HDLコレステロール血症」とされ、動脈硬化のリスクが高まり始めている状態です。

この段階ではすぐに薬物治療が必要となるケースは少ないものの、放置すると異常値へと移行する可能性があります。

食生活の改善や運動習慣の導入など、積極的な生活習慣の見直しが推奨される数値です。

【異常値】脂質異常症が疑われ、医療機関の受診が必要な数値

non-HDLコレステロール値が170mg/dL以上の場合、「高non-HDLコレステロール血症」という脂質異常症と診断されます。

この数値は動脈硬化を進行させるリスクが非常に高い状態を示しており、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を予防するためにも、医療機関を受診して医師に相談することが強く推奨されます。

生活習慣の改善とともに、薬物治療の検討が必要になる場合があります。

non-HDLコレステロールが高いとどうなる?放置することで高まる病気のリスク

non-HDLコレステロールが高い状態は、脂質異常症の一つです。

この状態を放置すると、血管の壁に悪玉コレステロールが蓄積し、さまざまな健康上の問題を引き起こす可能性があります。

特に自覚症状がないまま進行することが多いため、健康診断などで異常を指摘された場合は、速やかに対処することが重要です。

ここでは、放置することで高まる代表的な病気のリスクについて解説します。

自覚症状なく進行する動脈硬化

non-HDLコレステロール値が高い状態が続くと、血管の内側にコレステロールが溜まってプラークと呼ばれる塊を形成し、血管が硬く、狭くなる「動脈硬化」が進行します。

動脈硬化は自覚症状がないまま静かに進行するため、「サイレントキラー」とも呼ばれています。

善玉であるHDLコレステロールが低値の場合、このリスクはさらに高まります。

血管の弾力性が失われ、血流が悪くなることで、さまざまな臓器に悪影響を及ぼします。

命に関わる心筋梗塞や狭心症を引き起こす可能性

動脈硬化が心臓に血液を供給する冠動脈で進行すると、心臓への血流が不足し、胸の痛みや圧迫感を引き起こす狭心症の原因となります。

さらに、血管内のプラークが破れて血の塊(血栓)ができ、冠動脈が完全に詰まってしまうと心筋梗塞を発症します。

心筋梗塞は心臓の筋肉が壊死する病気であり、突然死に至ることもある非常に危険な状態です。

脳の血管が詰まる脳梗塞の原因になることも

動脈硬化は、脳の血管にも影響を及ぼします。

脳の血管が動脈硬化によって狭くなったり、血栓が詰まったりすることで血流が途絶えると、脳の組織が壊死する脳梗塞を発症します。

脳梗塞は、半身の麻痺、言語障害、意識障害などの深刻な後遺症を残すことが少なくありません。

定期的な採血による血液検査は、こうした命に関わる病気のリスクを早期に発見するために不可欠です。

non-HDLコレステロール値が上昇する主な原因

non-HDLコレステロール値が高くなる背景には、日々の生活習慣が大きく関わっています。

食事の内容や運動不足、肥満などが複合的に影響し合うことで、脂質の代謝バランスが崩れ、数値の上昇につながります。

また、中には遺伝的な要因や他の病気が隠れている場合もあるため、原因を正しく理解することが改善への第一歩となります。

飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の多い食生活

肉類の脂身やバター、ラード、生クリームなどに多く含まれる「飽和脂肪酸」や、マーガリン、ショートニング、洋菓子などに含まれる「トランス脂肪酸」の過剰な摂取は、体内の悪玉コレステロールを増やす主な原因です。

これらの脂肪酸が多い食事を続けていると、non-HDLコレステロール値が上昇しやすくなります。

これらの食品を減らす一方で、魚や植物油に多い不飽和脂肪酸など、質の良い脂質を適量摂ることが大切です。

脂質代謝を低下させる運動不足

運動不足は、摂取したエネルギーの消費が少ないため、体内に中性脂肪として蓄積されやすくなります

また、善玉であるHDLコレステロールを減らす一因ともなり、全体的な脂質代謝能力が低い状態を招きます。

体を動かす機会が少ない生活を続けていると、血液中の脂質のバランスが崩れ、結果的にnon-HDLコレステロール値の上昇につながります。

定期的な運動は脂質代謝の活性化に不可欠です。

肥満やメタボリックシンドローム

内臓脂肪が過剰に蓄積した肥満の状態、特に高血圧や高血糖などを合併するメタボリックシンドロームは、脂質代謝異常を引き起こす大きな要因です。

内臓脂肪から分泌される悪玉の生理活性物質が、肝臓での中性脂肪や悪玉コレステロールの合成を促進し、血液中のnon-HDLコレステロールが高い状態を招きます。

適正体重を維持することが、数値のコントロールに直結します。

遺伝的な体質や他の病気が影響する場合

生活習慣に問題が見られないにもかかわらず数値が高い場合は、遺伝的な体質が関係している可能性があります。

代表的なものに「家族性高コレステロール血症」があり、生まれつき悪玉コレステロールを体内に取り込む働きが弱いため、数値が高くなります。

また、甲状腺機能低下症、腎臓病、糖尿病などの他の病気や、服用中の薬剤が原因で二次的に数値が上昇することもあります。

non-HDLコレステロールを基準値内に下げるための具体的な改善策

non-HDLコレステロール値を下げるためには、生活習慣の見直しが基本となります。

特に「食事」と「運動」は、改善の大きな柱です。

これらのセルフケアを継続しても数値が十分に下がらない場合や、もともと心血管疾患のリスクが高い場合には、医療機関での「薬物療法」が必要となります。

ここでは、それぞれの具体的な改善策について解説します。

【食事療法】青魚や食物繊維を積極的に摂取する

食事では、悪玉コレステロールを増やす飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が少ない食品を選びましょう。

具体的には、肉の脂身や加工肉、バターを控え、大豆製品や魚を中心とした食生活を心がけます。

特にサバやイワシなどの青魚に含まれるEPAやDHAは中性脂肪を下げる効果が期待できます。

また、野菜、きのこ、海藻、玄米などに豊富な食物繊維は、コレステロールの吸収を穏やかにするため、積極的に摂取することが推奨されます。

【運動療法】ウォーキングなど無理なく続けられる有酸素運動

運動は、中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やす効果が期待できます。

特にウォーキングや軽いジョギング、サイクリング、水泳といった有酸素運動が効果的です。

目標としては、ややきついと感じるくらいの強度で1日30分以上、それを週3日以上行うことが推奨されています。

無理なく楽しく続けられる運動を見つけ、日常生活に組み込むことで、脂質代謝の改善につながります。

【薬物療法】医師の診断に基づいた適切な内服治療

食事や運動といった生活習慣の改善を2〜3ヶ月続けてもnon-HDLコレステロール値が目標値まで下がらない場合や、糖尿病や心筋梗塞の既往歴があり、もともと動脈硬化のリスクが非常に高い場合には、薬物療法が検討されます。

主にスタチン系の薬が用いられ、肝臓でのコレステロール合成を強力に抑えます。

薬物療法を開始する場合でも、生活習慣の改善は治療の基本として継続することが重要です。

お悩みの方はご相談を|生活習慣の指導から漢方治療まで幅広く対応

健康診断でnon-HDLコレステロールの高値を指摘され、どのように生活習慣を改善すればよいか分からない、あるいは自己流で試してもうまくいかないとお悩みの方は、一度当クリニックにご相談ください

しょうこ内科クリニックでは、脂質異常症をはじめとする生活習慣病の治療において、薬物療法だけでなく、患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせた食事や運動の具体的な指導も丁寧に行います。

また、西洋医学的なアプローチに加え、体質改善を目指す漢方治療も選択肢の一つとしてご提案可能です。

non-HDLコレステロール とはに関するよくある質問

ここでは、non-HDLコレステロールに関して患者様から寄せられることの多い質問とその回答をご紹介します。

基本的な意味や他のコレステロールとの違い、自覚症状の有無など、多くの人が抱く疑問を解消します。

non-HDLコレステロールとLDL(悪玉)コレステロールは何が違うのですか?

LDLコレステロールが「悪玉」単体の量を示すのに対し、non-HDLコレステロールはLDLに加え、超悪玉コレステロール(レムナント)など、動脈硬化の原因となる他の悪玉もすべて含んだ「悪玉の総和」です。

そのため、より総合的な動脈硬化のリスク評価が可能です。

non-HDLコレステロール値が高い場合、自覚症状はありますか?

non-HDLコレステロール値が高いだけでは、自覚症状はほとんどありません。

そのため、気づかないうちに血管の中で動脈硬化が進行している可能性があります。

定期的な健康診断で自身の値を把握し、高い数値を指摘された場合は放置しないことが重要です。

non-HDLコレステロールを下げるために、すぐに始められる食事の工夫はありますか?

まずは肉の脂身、バター、洋菓子など、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含む食品を減らすことから始めましょう。

代わりに、サバ缶などを利用して青魚を食べる機会を増やしたり、野菜やきのこ、海藻など食物繊維が豊富な食品を毎日の食事に積極的に取り入れることをお勧めします。

【専門医による診療】専門性と丁寧な対話を大切にする医療

しょうこ内科クリニックは、南河内郡で生まれ育った院長が、地域の皆様の健康を支える「かかりつけ医」として、これまでの基幹病院での豊富な臨床経験を活かした質の高い医療を提供します。

内科全般から専門である血液内科、漢方内科、美容皮膚科まで、幅広いお悩みに対応いたします。

患者様一人ひとりに寄り添う丁寧な診療

当クリニックでは、患者様一人ひとりの話に丁寧に耳を傾け、気になる症状やお悩みを気軽に相談できるような、あたたかい診療を心がけています。

検査結果の数値だけを見るのではなく、患者様の生活背景や不安な気持ちにも寄り添い、ご納得いただける治療方針を一緒に考えてまいります。

西洋医学と東洋医学(漢方)を組み合わせた最適な治療提案

当クリニックでは、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病に対し、西洋医学に基づいた標準的な治療を行うことはもちろん、体質から見直したい、なんとなく不調が続くといったお悩みには、漢方薬を用いた東洋医学的なアプローチもご提案します。

院長の経験も踏まえ、多角的な視点から一人ひとりに合った最適な治療法で症状の改善を目指します。

まとめ

non-HDLコレステロールは、総コレステロールから善玉コレステロールを差し引いた値であり、動脈硬化を引き起こすすべての悪玉コレステロールの総量を示す重要な健康指標です。

この数値が高い状態は自覚症状がないまま進行し、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気のリスクを高めます。

健康診断で数値を把握し、基準値を超えている場合は、食生活の見直しや運動習慣の導入を始めましょう。

必要に応じて医療機関で適切な診断と治療を受けることが、将来の健康を守る上で非常に重要です。

当クリニックにおける内科診療のご案内はこちらよりご覧くださいませ。