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熱中症になりやすい人の特徴とは?年齢や持病、体調との関係を解説

熱中症になりやすい人の特徴とは?年齢や持病、体調との関係を解説

“高齢者や子どもが注意すべきもの”というイメージが強い熱中症。しかし実際には、「自分は健康だ」と思っている方でも、体調や生活習慣、持病の有無によって熱中症のリスクが高まることがあります。

熱中症を予防するためには、水分補給や暑さ対策だけでなく、自分が熱中症になりやすい状態に当てはまっていないかを知ることも大切です。この記事では、熱中症になりやすい人の特徴やその理由、予防のポイントや注意したい症状について解説します。

熱中症とは?体温調節がうまくできなくなる状態

熱中症とは、暑さによって体に熱がこもったり、水分や塩分のバランスが崩れたりすることで起こる体調不良の総称です。

私たちの体には、体温が上がりすぎないように調整する機能が備わっていて、暑い環境では汗をかいたり、皮膚の血管を広げたりすることで熱を逃がしています。しかし、気温や湿度が高い環境では熱が十分に逃げにくくなります。また、汗を大量にかくため、水分や塩分が失われやすくなり、脱水状態になることがあります。脱水が進んで全身へ十分な血液を送ることが難しくなると、めまいや立ちくらみ、頭痛、強いだるさなど、さまざまな症状が現れることがあります。これが熱中症です。

熱中症は軽く見られることもありますが、適切な対応が遅れると症状が悪化し、意識障害やけいれんを起こすこともあります。さらに重症化すると命に関わることもあるため、軽視せず、予防や初期対応をしっかり行うことが重要です。

熱中症になりやすい人の特徴

熱中症は誰にでも起こる可能性があります。しかし、年齢や持病、体調などによってリスクは異なります。ここでは、熱中症になりやすい人の特徴を解説します。

高齢者

加齢によって、暑さを感じる感覚や体温調節機能は低下しやすくなります。特に高齢になると、室温が高くなっていても暑さを自覚しにくく、汗をかいて体温を下げる反応も遅れてしまうことがあります。さらに、体内の水分が不足しても強いのどの渇きを感じにくくなるため、気付かないうちに脱水が進むことも珍しくありません。

さらに、年齢とともに体内の水分量や筋肉量も減少します。筋肉には水分を蓄える役割があるため、筋肉量が少なくなると脱水を起こしやすくなります。

こうした理由から、高齢者においては自覚がないまま脱水や熱中症が進行することがあり、注意が必要です。

子ども

特に乳幼児は、汗をかいて体温を下げる機能が十分に成熟していません。そのため、周囲の気温や湿度の影響を受けやすく、熱中症のリスクが高くなります。また、身長が低いため地面からの照り返しの影響を受けやすいことも、熱中症になりやすい要因の一つと言えます。さらに、遊びやスポーツに夢中になると体調の変化に気付きにくく、水分補給を後回しにしてしまうこともあります。

小さな子どもは体調不良をうまく伝えられない場合もあるため、周囲の大人が様子を観察することが大切です。

熱中症になった子供

糖尿病や高血圧、心疾患、腎疾患などの持病がある人

糖尿病や高血圧、心疾患、腎疾患などがある方は熱中症に注意が必要です。

糖尿病:

血糖値が高い状態が続くと尿量が増えやすくなり、脱水につながることがあります。また、糖尿病によって自律神経の働きが低下すると、汗をかく機能や体温調節機能に影響が出る場合もあります。

心疾患がある方

心不全など心臓の働きが低下している方では、体温を下げるために必要な血液循環の調整が難しくなることがあります。また、利尿薬を服用している場合は脱水になりやすく、熱中症のリスクが高まることがあります。

腎疾患がある方

水分や塩分のバランスを調整する腎臓の働きが低下していると、脱水や電解質バランスの乱れが起こりやすくなる場合があり、熱中症になりやすいことがあります。

高血圧の方

高血圧の治療では利尿薬が使用されことがありますが、尿量を増やす作用があるため、脱水が起こりやすくなって熱中症のリスクが高まることがあります。暑い時期は通常よりも脱水のリスクが高まるため、こまめに水分補給をすることが重要です。

肥満傾向がある人

肥満傾向の方も熱中症のリスクが高いとされています。

皮下脂肪には体温を逃がしにくくする性質があるため、体内に熱がこもりやすくなります。また、体が大きいほど運動や活動によって発生する熱も増えやすくなりがちです。同じ動作でも体への負担が大きくなりやすいため、体温が上昇しやすい傾向があります。

暑い環境での作業や運動では体温が上がりやすく、熱中症のリスクが高くなると考えられています。

暑さに慣れていない人

暑さに慣れていない状態も熱中症のリスクを高めます。

私たちの体は暑い環境で過ごすうちに、汗をかきやすくなったり体温を下げやすくなったりします。このように体が暑さに適応することを「暑熱順化(しょねつじゅんか)」といいます。暑熱順化が進むと、体温の上昇を抑えやすくなり、熱中症のリスクを下げることができます。

一方で、運動習慣が少ない方や冷房の効いた環境で過ごす時間が長い方は、暑熱順化が十分に進んでいないことがあります。暑熱順化が進むには数日から2週間ほどかかるため、まだ体が慣れていない梅雨の晴れ間や、梅雨明け直後などの急に気温が高くなった日は、熱中症に特にかかりやすくなります。

睡眠不足や疲労の蓄積などで体調が良くない人

熱中症へのなりやすさは、体調も大きく影響します。特に、食欲低下や下痢、発熱などがある場合は、体内の水分や塩分が不足しやすくなります。そのため、その状態で暑い環境にいると、熱中症のリスクが高まります。

また、睡眠不足や疲労が続くと、自律神経の働きが乱れやすくなります。自律神経は発汗や血流の調整にも関わっているため、暑い環境で体温をうまく下げられず、熱中症のリスクが高まることがあります。

熱中症を繰り返してしまうのは体質のせい?

今まで一度も熱中症になったことがない方がいる一方で、「毎年のように熱中症になる」という方もいます。何度も繰り返していると、「自分は熱中症になりやすい体質なんだろう」と思ってしまいがちですが、実際には、生活習慣などが改善されないことが影響していることも少なくありません。

たとえば、冷房の効いた環境で過ごすことが多く汗をかく機会が少ない、3食きちんと食べる習慣がない、慢性的に寝不足や疲労の蓄積が続いている、飲酒量が多く脱水になりやすいといった状態は、熱中症のリスクを高めます。こうした習慣が常態化するとそれを普通に感じてしまいますが、結果として熱中症を繰り返す原因になっていることがあります。

毎年熱中症になっている方は、「体質だから仕方ない」と考えるのではなく、背景にある原因を見直してみることが大切です。

熱中症になりやすい人が知っておきたい予防のポイント

熱中症対策というと、水分補給やエアコンの使用を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろんそれらも重要ですが、熱中症になりやすい人は次の点を意識しておくことも重要です。

持病や服用中の薬について理解しておく

持病がある方や複数の薬を服用している方は、一般的な熱中症対策だけでは十分でない場合があります。特に利尿薬など尿量を増やす薬を服用している場合は、水分管理に注意が必要です。

また、持病によっては脱水や体温調節機能の低下が起こりやすいことがあります。暑い時期の過ごし方や水分補給について不安がある場合は、定期受診の際に相談しておくと安心です。特に、心不全や腎疾患などで水分制限の指示を受けている方は、自己判断で水分摂取量を増減せず、暑い時期の過ごし方について主治医に質問しておきましょう。

体調の変化を軽視しない

若い世代や健康な方ほど、体調が悪くても「自分は大丈夫」「まだ我慢できる」という気持ちから、無理をしてしまいがちです。しかし、熱中症では早めに適切な対応をすることがとても重要です。

気温や湿度が高い環境下で、めまいや立ちくらみ、頭痛、強い疲労感などの症状が現れたら、涼しい場所に移動したり、水分や塩分をとったりして、休息しましょう。熱中症は“年齢や体力に関係なく誰にでも起こり得るもの”と考え、体調に異変を感じたら早めに対応することが大切です。

熱中症警戒アラートや暑さ指数を確認する

「自分は熱中症になりやすいかも」と思う方は、天気予報とあわせて、熱中症に関する情報を普段からチェックしておくこともおすすめです。たとえば、環境省や気象庁では、熱中症の危険性が高い日に「熱中症警戒アラート」を発表しています。また、気温だけでなく湿度や日射なども考慮した「暑さ指数(WBGT)」も参考にすることができます。

熱中症警戒アラート

熱中症を疑う症状と内科受診の目安

予防を心がけていても、熱中症になってしまうことはあります。「熱中症かも」と思った時は、早めに対処しましょう。特に、立ちくらみ、めまい、筋肉のけいれん、大量の発汗、軽い倦怠感などを感じたら、涼しい場所へ移動し、水分や塩分を補給しながら様子をみましょう。その後回復すれば、特に受診の必要はありませんが、再び体調が悪化することもあります。無理に活動を再開せず、安静を心がけましょう。

一方で、次のような症状がある場合は、医療機関への相談をおすすめします。

  • 休んでも症状が改善しない
  • 頭痛が続く
  • 吐き気や嘔吐がある
  • 強い倦怠感がある
  • 水分が十分に取れない
  • 熱中症かどうか判断に迷う

さらに、次のような症状が見られたら、重症の熱中症の可能性があるため、速やかに救急車を要請してください。

  • 意識がはっきりしない
  • 呼びかけへの反応が鈍い
  • まっすぐ歩けない
  • けいれんがある
  • 自力で水分を飲めない

なお、高齢者や小さな子ども、持病がある方は症状が軽く見えても注意が必要です。特に高齢者では、典型的な症状が目立たず、「なんとなく元気がない」「食欲がない」といった形で現れることもあります。「いつもと様子が違うな」と思ったら、早めに内科を受診しましょう。

暑さにこたているご高齢の女性

まとめ

熱中症は高齢者や子どもだけでなく、持病がある方、暑熱順化ができていない方、睡眠不足や体調不良が続いている方なども注意が必要です。

また、「自分は大丈夫」「まだ頑張れる」といった思い込みから、初期症状を見逃してしまうケースも少なくありません。今回紹介した特徴の中に、自分や家族が複数当てはまる場合は、体調の変化をいつも以上に意識し、無理をしないことが大切です。

そして、毎年のように熱中症を繰り返している方や、持病があり熱中症に不安がある方は、暑くなる前に一度内科で相談しておくと安心です。

この記事の要点

  • 熱中症は暑さだけでなく、脱水や体調不良、持病などが重なって起こる。
  • 高齢者や子どもだけでなく、糖尿病や心疾患、腎疾患などの持病がある方も注意が必要。
  • 暑熱順化が十分でない時期や、睡眠不足・下痢・発熱などの体調不良がある場合はリスクが高まる。
  • 熱中症を繰り返す場合は、生活習慣や体調管理に原因が隠れていることがある。
  • 持病や服用中の薬がある方は、暑い時期の過ごし方について主治医に相談しておくと安心である。

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