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健康診断で貧血を指摘されたらどうすればいい?危険な数値と体からのサインを見逃さないで

健康診断の結果を見て、「Hb低値」「要再検査」「貧血の疑い」などと書かれていても、「少し鉄分不足なだけかな」「疲れていただけかも」「いつものことだし」と軽く考えてしまう方も少なくありません。
しかし、貧血は単なる栄養不足だけではなく、体からのSOSとして現れていることもあります。特に、数値が大きく低下している場合や、以前より徐々に悪化している場合は注意が必要です。
この記事では、健康診断の貧血に関連する数値の意味や危険な数値の目安、そして見逃せない貧血の症状などについて解説します。
そもそも「貧血」とは?
貧血とは、血液中のヘモグロビン(Hb)が低下し、全身へ十分な酸素を運べなくなっている状態を指します。ヘモグロビンは赤血球に含まれる成分で、酸素を運ぶ重要な役割を担っています。そのため、貧血になると体が酸欠状態に近づき、だるさや息切れ、頭痛、動悸など、さまざまな不調が現れることがあります。
しかし、貧血は症状がはっきり自覚できないことも珍しくありません。特にゆっくり進行するケースでは、体が慣れてしまい、自覚症状のないままに貧血に気づかないで過ごしてしまう方もいます。また、女性は月経の影響があるため、男性よりも貧血が多い傾向がありますが、日常的な疲れや月経に伴う症状と区別がつきにくいこともあり、様子見をしたり、自己流の方法で対処したりしているうちに症状が悪化してしまうことがあります。
「疲れやすいのは年齢のせい」「最近忙しいから」と思っていた不調が、実は貧血だったというケースも少なくありません。健康診断で貧血の可能性を指摘された方や、長引く不調に悩んでいる方は、内科を受診しましょう。
健診結果の「貧血の危険な数値」はどのくらい?
健康診断では、主に「ヘモグロビン値(Hb)」を見て貧血の有無を判断します。健診結果では、「Hb」や「血色素量」と記載されています。貧血の目安は、一般的には成人男性で13g/dL未満、成人女性で12g/dL未満です。
さらに、ヘモグロビン値は数値によって、おおまかに次のように分類されます。
| ヘモグロビン値 | 状態の目安 | 現れやすい症状 |
| 男性13g/dL未満・女性12g/dL未満 | 貧血の可能性 | 疲れやすさ、だるさ |
| 10〜11g/dL程度 | 軽度の貧血 | 疲れやすさ、息切れ |
| 8〜10g/dL程度 | 中等度の貧血 | 動悸、めまい、集中力低下 |
| 8g/dL未満 | 重度の貧血 | 強い息切れ、日常生活への支障 |
数値が低くなるほど、全身に酸素を運ぶ力が低下するため、疲れやすさや息切れ、めまい、動悸などが起こりやすくなります。一般的にはヘモグロビン値が8〜10g/dL程度になると中等度の貧血として、動悸やめまい、息切れなどが現れやすくなります。8g/dLを下回る場合は重度の貧血として扱われることがあり、特に7g/dL前後まで低下している場合には早めの受診が重要です。
ヘモグロビン値が大きく低下すると、症状の強さや全身の状態によっては、入院や輸血などの治療が検討されたりすることもあります。
なお、上記の目安は年齢や妊娠の有無などによって異なることがあります。たとえば、妊娠中は血液量が増える影響でヘモグロビン値が低下しやすく、一般的な成人女性とは別の基準で管理されることがあります。また、高齢の方や心臓・肺の病気がある方では、比較的軽い貧血でも息切れや動悸などの症状が出やすくなります。

ヘモグロビン値以外のデータも「貧血」に関連している
健診結果において貧血の可能性を判断する際には、ヘモグロビン値がまず確認されますが、赤血球数(RBC)やヘマトクリット(Ht:血液の濃さ)、MCV(赤血球の大きさ)、MCH・MCHC(赤血球に含まれるヘモグロビン量)などのデータもあわせて確認されることがあります。これらの値を組み合わせることで、「鉄不足による貧血なのか」「別の原因による貧血なのか」を推測しやすくなります。
たとえば、鉄欠乏性貧血では赤血球が小さくなる傾向があり、MCVが低下することがあります。一方で、ビタミンB12や葉酸が不足することで起こる巨赤芽球性貧血では、赤血球が通常より大きくなる傾向が見られ、MCVが高くなります。
ただし、健康診断では詳細な原因までは判断できないことも多いため、貧血の原因を特定するためには、医療機関を受診してより詳しい検査を受けることが必要です。
数値だけじゃない!貧血で放置してはいけないサイン
お伝えしたように、ヘモグロビン値などの数値は貧血かどうかを判断する一つの目安になるため、健診を受けて「要受診」「要再検査」などの結果が出た場合には、医療機関を受診することが重要です。
一方で、ヘモグロビン値が正常範囲内であっても、実際には鉄不足が始まっていたり(いわゆる「隠れ貧血」)、貧血に関連する症状が出ていたりするケースもあります。そのため、症状の強さや体調の変化にも目を向けることが大切です。
特に、次のような症状は貧血のサインとして現れている可能性があります。
- 疲れやすい、だるさが抜けない
- 少し動いただけで息切れする
- 階段で動悸がする
- 立ちくらみやめまいがある
- 頭痛や頭の重さが続く
- 顔色が悪いと言われる
- 集中しにくい、ぼんやりする
- 朝起きるのがつらい
- 爪が割れやすい、反り返ってきた
- 髪が抜けやすい
- 氷を無性に食べたくなる
特に、氷を無性に食べたくなる「氷食症(ひょうしょくしょう)」や、爪が反り返るような変化は、鉄欠乏性貧血の特徴的な症状です。
また、毎年ヘモグロビン値が少しずつ低下している場合や、以前は正常だったのに急に低値になった、健診のたびに「要再検査」になっている、といった場合は、背景に何らかの病気が隠れている可能性もあります。原因が改善されないまま放置すると、徐々にヘモグロビン値が低下し、軽度の貧血だった状態が、中等度・重度へ進行していくこともあるため、軽く考えず、症状や数値の変化にも目を向けることが大切です。

貧血の背景にある見逃せない病気
貧血の原因として最も多いのは、鉄欠乏性貧血です。女性では、月経による鉄不足が原因になることが少なくありません。また、食事量の減少や偏った食生活、ダイエットなどによって鉄分が不足することも、貧血の原因になります。
一方で、次のような病気が関係しているケースもあり、特に男性や閉経後の女性でヘモグロビン値が低い方は注意が必要です。
胃潰瘍、胃がん、大腸がんなどの消化管出血
胃潰瘍や胃がん、大腸がんなどが原因で、消化管から少しずつ出血が続くことで、貧血が起こることがあります。
慢性疾患や内科の病気
腎疾患や慢性的な炎症、甲状腺の病気などによって貧血が起こることもあります。「鉄分を摂れば改善する」と自己判断せず、必要に応じて原因を確認することが大切です。
このような病気が原因の場合、根本的な治療を行うことで、貧血も改善していく可能性があります。病気を見逃さないためにも、健康診断で貧血の可能性を指摘されたら、医療機関を受診しましょう。

まとめ
貧血は「少し鉄分が足りないだけ」と軽く考えられがちですが、不調のサインとして現れていることもあります。一時的な体調の影響、食事内容、月経のタイミングなどが関係することもあるため、すぐに重い病気を意味するとは限りませんが、疲れやすさや息切れなどの症状がある場合には、体からのSOSと捉えて医療機関で相談しましょう。
また自覚症状がない場合でも、健康診断の結果で貧血の可能性を指摘された際には、内科を受診しましょう。医師の診察を受けることで初めて、様子を見てよい状態なのか、より詳しい検査や治療が必要な状態なのかを正確に見極めることができます。
貧血の背景に病気が隠れているケースもあるため、自己判断で放置せず、医療機関を受診してくださいね。
記事の要点
- 貧血は主にヘモグロビン値(Hb)の低下で判断される。
- Hbが8g/dLを下回る場合や、7g/dL前後まで低下している場合は早めの受診が重要。
- 数値が軽度でも、以前より低下している場合や症状が続く場合は注意が必要。
- 貧血の背景には、鉄不足だけでなく消化管出血や慢性疾患が隠れていることもある。
- 健康診断で再検査・要受診を指摘された場合や不調を感じている場合は、自己判断で放置せず内科で相談する。
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