空腹時血糖が高い原因とは?糖尿病の基準値と食事・運動で下げる方法

2026.09.21

健康診断で「空腹時血糖が高い」と指摘されると、糖尿病のリスクが心配になるものです。

空腹時血糖が高くなる理由には、インスリンの機能低下やホルモンの影響、食生活の乱れなど、様々な原因が考えられます。

この記事では、空腹時血糖値の基準や高くなる原因を詳しく解説し、食事や運動で数値を下げる方法を紹介します。

自身の体の状態を正しく理解し、適切な対策を始めましょう。

空腹時血糖値とは?健康診断の結果を正しく理解しよう

空腹時血糖値とは、食事の影響を避けるため、10時間以上絶食した状態で測定した血液中のブドウ糖濃度を指します。

食事をすると血糖値は一時的に上昇しますが、健康な人であればインスリンというホルモンの働きによって正常範囲に戻ります。

健康診断で測定されるこの値は、インスリンが正常に機能しているか、糖尿病やその予備群のリスクがないかを判断するための重要な指標です。

あなたの数値はどのレベル?空腹時血糖値の基準をチェック

空腹時血糖値の基準は、日本糖尿病学会によって「正常型」「境界型」「糖尿病型」の3つに分類されています。

健康診断などで指摘された値がどのレベルに該当するのかを把握することが、健康管理の第一歩です。

正常高値や境界型・糖尿病型と判断された場合は、生活習慣を見直すきっかけと捉えましょう。

正常型:まだ心配ない範囲の数値

空腹時血糖値が99mg/dL以下の場合は「正常型」と判断されます。この範囲であれば、現時点での糖尿病のリスクは低いと考えられます。しかし、空腹時血糖値が100~109mg/dLの場合は「正常高値」に分類され、110~125mg/dLの場合は「境界型(糖尿病予備群)」と判断されます。これらの数値の場合は、将来的に糖尿病を発症する可能性が指摘されています。

現在の健康的な生活習慣を維持し、定期的に健康診断を受けて数値の推移を確認することが重要です。

境界型(糖尿病予備群):生活習慣の見直しが必要な数値

空腹時血糖値が110mg/dL以上126mg/dL未満の場合は「境界型」に分類され、いわゆる糖尿病予備群の状態です。

この段階では自覚症状はほとんどありませんが、放置すると糖尿病へ移行するリスクが高まります。

この時点で食事や運動など生活習慣を改善することで、正常な状態に戻る可能性も十分にあります。

将来の健康のために、早期の対策が求められます。

糖尿病型:医療機関での相談が推奨される数値

空腹時血糖値が126mg/dL以上の場合、「糖尿病型」と診断される可能性が高まります。

一度の検査だけでなく、別の日の再検査やHbA1c(過去1〜2ヶ月の血糖値の平均を反映する指標)の結果などを総合的に見て最終的な診断が下されます。

この数値を放置すると、網膜症や腎症、神経障害といった合併症のリスクが高まるため、早めに医療機関を受診し、医師の指導のもとで適切な治療を開始する必要があります。

なぜ空腹時なのに血糖値が高い?考えられる5つの原因

食事をしていない空腹時にもかかわらず血糖値が高い状態には、いくつかの医学的な理由が考えられます。

体内で血糖をコントロールする仕組みの不具合や、生活習慣が大きく関わっています。

ここでは、空腹時血糖値が上昇する主な5つの原因について解説します。

原因①:インスリンの分泌不足や効き目の低下(インスリン抵抗性)

インスリンは、膵臓から分泌され血糖値を下げる唯一のホルモンです。

このインスリンの分泌量が減少したり、分泌されても筋肉や脂肪細胞での効き目が悪くなったりする状態(インスリン抵抗性)に陥ると、血液中の糖をうまく処理できず、血糖値が高いままになります。

肥満や運動不足は、インスリン抵抗性を引き起こす主な要因として知られています。

原因②:明け方に血糖値を上げるホルモンの影響(暁現象)

睡眠中の明け方になると、体を活動状態に切り替えるために成長ホルモンやコルチゾールといった血糖値を上げる作用を持つホルモンが分泌されます。

この影響で一時的に血糖値が上昇する現象を「暁現象」と呼びます。

特に成長期でホルモン分泌が活発な若い世代に見られやすいですが、成人でも起こりうる現象です。

原因③:夕食の時間が遅い・食べ過ぎなどの食習慣

夜遅い時間に食事を摂ったり、糖質や脂質の多い食事を食べ過ぎたりすると、就寝中も消化・吸収が続き、食後の高血糖状態が翌朝まで持続することがあります。

特に、夕食から採血までの絶食時間が短いと、その影響で空腹時血糖値が高く測定される場合があります。

夕食は就寝3時間前までに済ませるのが理想的です。

原因④:運動不足による糖の消費量の減少

運動は、血液中のブドウ糖を筋肉で消費させるため、血糖値を下げる効果があります。

日常的に運動習慣がないと、体内で糖を消費する機会が減少し、血糖値が下がりにくい体質になります。

また、継続的な運動は筋肉量を増やし、インスリンの効き目を良くする(インスリン抵抗性の改善)効果も期待できます。

原因⑤:睡眠不足やストレスによるホルモンバランスの乱れ

睡眠不足や慢性的なストレスは、交感神経を優位にし、血糖値を上げるホルモンの分泌を促します。

これらのストレスホルモンはインスリンの働きを阻害するため、結果として血糖値が上昇しやすくなります。

心身の健康を保ち、ホルモンバランスを整えることも血糖コントロールには不可欠です。

今日から始める!空腹時血糖値を下げるための具体的な3つのセルフケア

空腹時血糖値を改善するためには、日々の生活習慣を見直すことが最も効果的です。

ここでは、食事、運動、生活リズムの3つの観点から、今日から実践できる具体的なセルフケアの方法を紹介します。

これらの方法を継続することで、血糖値の安定化が期待できます。

食事の改善:食べる順番を工夫し糖質の多い食品を控える

食事の際は、まず野菜やきのこ、海藻などの食物繊維が豊富なものから食べ始める「ベジファースト」を意識しましょう。

食物繊維を先に摂ることで、後から食べる炭水化物の吸収が穏やかになり、食後の血糖値の急上昇を防ぎます。

白米やパン、麺類などの糖質の多い食品の過剰摂取を控え、バランスの良い食事を心がけることが大切です。

運動の習慣化:ウォーキングなど軽めの有酸素運動を継続する

血糖値を下げるためには、ウォーキングや軽いジョギング、水泳といった有酸素運動が効果的です。

まずは1日20〜30分程度、週に3〜5日を目標に始めてみましょう。

特に食後30分〜1時間後に行うと、食事によって上昇した血糖値を効率良く消費できます。

大切なのは無理なく続けることなので、日常生活の中に運動を取り入れる工夫をしましょう。

生活リズムの整備:質の良い睡眠を確保しストレスをためない

規則正しい生活は、ホルモンバランスを整え、血糖値の安定につながります。

毎日同じ時間に就寝・起床し、7時間程度の質の良い睡眠を確保するよう心がけましょう。

また、ストレスは血糖値を上げる原因となるため、趣味の時間を作ったり、リラックスできる環境を整えたりして、上手にストレスを解消することが重要です。

しょうこ内科クリニックの生活習慣病治療

当クリニックでは、糖尿病をはじめ、高血圧や脂質異常症といった生活習慣病の診療に力を入れています。詳細な診療内容については、糖尿病・生活習慣病の診療についてはこちらをご覧ください。

生活習慣病の治療では、薬物療法だけに頼るのではなく、患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせた食事指導や運動療法を提案し、総合的かつきめ細やかな治療を行うことを重視しています。

健康診断で異常を指摘された方や、生活習慣の改善について相談したい方は、お気軽にご来院ください。

放置は危険!数値が改善しない場合は早めに内科を受診しよう

セルフケアを続けても空腹時血糖値が下がらない場合や、健康診断で「糖尿病型」と判定された場合は、自己判断で放置してはいけません。

高血糖の状態が続くと、自覚症状がないまま動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気のリスクが高まります。

また、糖尿病特有の三大合併症(網膜症、腎症、神経障害)を引き起こす可能性もあるため、早期に内科を受診し、専門家による適切な診断と治療を受けることが重要です。

空腹時血糖値が高い原因に関するよくある質問

ここでは、空腹時血糖値が高い原因について、患者様から寄せられることの多い質問にお答えします。

空腹時血糖値だけが高いのはなぜですか?

食後の血糖値は正常でも空腹時血糖値だけが高い場合、肝臓での糖の過剰な生成(糖新生)や、明け方のホルモンの影響(暁現象)が主な原因として考えられます。

また、インスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」の初期段階でも見られることがあります。

前日の夜食は翌朝の空腹時血糖値に影響しますか?

はい、大きく影響します。

特に就寝前に糖質や脂質の多い食事を摂ると、消化・吸収が夜通し行われ、血糖値が高いまま朝を迎える原因となります。

夕食は就寝の3時間前までに済ませ、夜食は控えることが血糖コントロールには非常に重要です。

空腹時血糖値を下げる効果が期待できる飲み物はありますか?

水やお茶、ブラックコーヒーなど糖分を含まない飲み物が基本です。

特定の飲み物だけで血糖値が劇的に下がることはありませんが、牛乳や緑茶、食酢などが食後の血糖上昇を緩やかにするとの報告があります。

ジュースや加糖飲料は避けましょう。

※これらはあくまで食後の急上昇を抑えるためのもので、就寝前の摂取が翌朝の空腹時血糖値を直接下げるわけではありません。

薬物治療中の方は低血糖のリスクもあるため注意が必要です。

しょうこ内科クリニックが大切にしていること

当クリニックは、患者様とのコミュニケーションを大切にし、西洋医学の標準的な治療に加え、東洋医学(漢方)も取り入れた多角的なアプローチで、一人ひとりに最適な医療を提供することを目指しています。漢方内科の診療詳細はこちらよりご確認いただけます。

これが、多くの患者様に選ばれる理由です。

患者様一人ひとりに寄り添った温かい診療

当クリニックでは、患者様が抱える症状や悩み、不安に真摯に耳を傾け、一人ひとりに寄り添った温かい診療を心がけています。

院長は生まれ育った地域のかかりつけ医として、質の高い医療を提供することを目指しています。

どんな些細なことでも安心して相談できる環境を整えています。

西洋医学と漢方治療を組み合わせた多角的なアプローチ

西洋医学による的確な診断・治療を基本としながら、体質改善や西洋医学では対応しきれない症状に対しては、漢方薬を用いた治療も積極的に提案しています。

院長自身が漢方治療でアトピー性皮膚炎を克服した経験から、両医学の長所を融合させ、患者様にとって最良の医療を提供します。

まとめ

空腹時血糖値が高くなる原因は、インスリンの作用不足やホルモンバランス、食生活、運動不足など多岐にわたります。

健康診断で数値を指摘された場合は、まずその原因となりうる生活習慣を見直すことが重要です。

食事内容の改善や定期的な運動を心がけ、それでも数値が改善しない場合や、基準値を大幅に超えている場合は、放置せずに早めに内科を受診してください。

当クリニックにおける内科診療のご案内はこちらよりご覧くださいませ。